「恵方巻花街(かがい)の遊びをならふより柊鰯(ひいらぎいわし)つるすならひを」
私がマレーシアから帰って大阪の泉大津に住んでいた頃だから今から30年くらい前だ。
当時は「やしきたかじん」が大阪で大人気の頃で、私も毎日ラジオで「たかじん」の生番組を聞いていた。その中で大阪では節分に恵方巻を食べると聞いた。買い物に町へ出ると確かにそこここに売っていた。関西は柊鰯を軒先につるす風習も残っていた。これは愛知県の私の実家でもやっていたので懐かしかった。
アメリカで8年間暮らした後、東京に住み始めたその年だから1998年頃だと思う。東京のコンビニで恵方巻を売り出し始めた。それまで関東には恵方巻なんて知られていなかった。
この恵方巻、花街で遊ぶ男性陣がひいきの芸妓などに食べさせて卑猥な想像を膨らます「おふざけ」がもとだそうだ。海苔屋の考えたものだという説もある。どちらにしても喜んでのせられるのは気分のいいものではない流行だ。
恵方巻はコンビニ主導ではやらされたものだ。食べ物を大事にしようと言われる中、売れ残りは捨てられるという悪評もある。かなり大量に捨てられるらしい。
こんな作られた流行より、つつましく柊鰯をつるす方がよほど節分の鬼退治にかなっていると思う。
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